オフィスH  誠信の交わり

オフィスH(オフィスアッシュ)のブログです。世界から、豊かな物語を紡ぐ個性的なアニメーション映画や独立系作家に役立つ情報を紹介します。

GWの5月5日、東京・なかのZEROの「CGアニメコンテスト」入選作品上映会に行ってきました。
このコンテストは、PROJECT TEAM DoGAという、“パーソナルCGアニメを振興する団体”が主催していて、今年で20回目を迎えました。
わたしがその名前を知るようになってからだけでも、由水 桂さん、新海誠さん、ロマのフ比嘉さん、御影たゆた(山口秀行)さん、宍戸光太郎(御動画処 一休庵)さんなどの逸材が世に知られるきっかけになったコンテストです。
いまでこそ、アニメーションの○○コンテスト、△△賞や“素人登竜門”的な番組が増えましたが、DoGAはそういった流れの先駆け。

わたしには“一人”で創ったかどうかは大したことでなく、キラキラ輝いているかとか、心にグーンと来るものがあるかとう感覚で作品を見ています。
こういう価値判断を上手く表現できないから、“メッセージ性がある”とか言って誤魔化していますが、抗しがたい惹きつけられる何かがある、そんな一作品に出会う喜びを求めているのでしょうね。
「CGアニメコンテスト」のある時期、ほんとうに愉しませてもらいました。

そんな作品に出会えないなぁと、しばらく寂しい思いでいました。

ドキドキする出会いを求めて、20回目の記念開催に審査員をお引き受けしました。
事務局が一次審査の後に、苦心してまとめてくれた入選作品を拝見しました。
それにしても、あんなに大変な“作業”を20年間も続ける、PROJECT TEAM DoGAには頭が下がります。

審査させてもらった作品については、HNewsで書いたからここでは割愛しますが、上映会は“パーソナルCGアニメ”の同好会のノリで、まだアングラっぽい雰囲気もあり、楽しかったですね。
ちゃんとしたスクリーンに投影された作品が、家の小さなモニターで見るのとは一味違ったのは当然ですね。
新人捜し風の業界人もいらしていたし、発足時からコンテストを支える人たちもいて、かつてよりは平均年齢が上がった感じでした。
「男子ばかり」とわたしが言うと、DoGAのみなさんは「女子も増えてるんでよ」とおっしゃる。確かに、女性クリエーターも増えている。
映像賞を受賞した『Ascension』を創られたのも、女性の田島清美さんでした。

代表のかまたゆたかさんは、「こんなお金儲けにもならないようなことをしている個人、団体もそうないでしょう」とおっしゃりつつ、兄貴分から父親役の貫禄をつけられたように感じます。
継続は力なり。
当事者の苦労を考えれば、安易に「続けてください」と言えない気分ですが、やっぱり続けてくださいね。
こういう活動を支えられる社会、個人でありたいな。

そうそう、入選作品集のDVDが発売されています。
入選作品もいいけど、「外伝:選外になったおもろい作品」DVDもオススメ。
外伝大賞には、山岸たかおさんの『胃の三太郎』が選ばれていました。どーでもいいけど、バカらしいおもろさです。

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神奈川県などが主催する、神奈川国際アニメーション映画祭(FFIAK)というイベントにも行ってきました。
こちらは、ディレクションをしている方を存じ上げないのですが、“寄せ集め”のような感じを受けました。
そう思って関係者や協力者を見ると、やっぱり。

クリエーターにとっては“発表の場”が増えるのは悪いことではない。それは間違いありません。
でも、ディレクターのポリシーが感じられない“映画祭”はいかがなものなんでしょうか。
だから、拝見した作品の感想は控えましょう。

知人が言っていたとおり、上映の環境にも不満でした。
ギャラリー上映だから周囲の音も光も入ってくるし、スクリーンの明るさや音響も褒められたものじゃない。
知人が「無料だから仕方ないかな」と言っていたけど・・・うーん、つらい。

お高く留まった雰囲気の“上映会”は好みませんが、みんなが見られる場を提供する以上は、それなりの環境を整えること。独り見ではない、他の人と映画の楽しさを共有すること、それがシアター上映だと思うんですよね。劇場で見る楽しさを提供するのも、やる側の務めかな。
これは自戒をこめた感想。

FFIAIKは、今回で2回目とか。さてさて、何回続くのでしょうか・・・