オフィスH  誠信の交わり

オフィスH(オフィスアッシュ)のブログです。世界から、豊かな物語を紡ぐ個性的なアニメーション映画や独立系作家に役立つ情報を紹介します。

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スウェーデン大使館ギャラリーで6月22日まで開催されていた、「スウェーデンコマ割り漫画」展を見てきました。
会期中は、スウェーデン人漫画家との交流や短編アニメーション上映などもあり、充実した展覧会だったようです。

今、秋の特集上映に向けてスウェーデンの短編アニメーションを集めています。
いろいろなテーマの作品がありますが、私小説的なものが多いように感じます。
完全な空想物語というよりも、自身の体験をベースにストーリーを展開する、膨らませる。
あるいは、ドキュメンタリー要素の内容であったり。
どうしてだろう?と考えていたのですが、漫画展で一つの回答を見つけました。

この展覧会は、スウェーデンの「GALAGO」という、成人向け現代コマ割り漫画選集の編集者マッツ・ヨンソンさんと、「GALAGO」の文化編集部のヨハネス・クレネルさんの企画によるもので、1950年代、60年代、70年代、80年代生まれの13人のスウェーデン人漫画家の作品を紹介しています。

マット・ヨンソンさんの解説によると、「自伝漫画」という系譜があるそうなのです。
マンガとアニメーション、相通じるのがあるのですね。

ヨーロッパでは、「アニメーションは子どものもの」という既成概念が変わりつつあります。
“悲劇と喜劇の融合”という、おとなの感覚にアート性が加わり、スウェーデンのアニメーションがさらに新展開しそうです。

この展覧会は、新宿や神戸などで巡回展が予定されているそうです。

写真は、長い間「GALAGOのファン」である写真家のクリステル・イェーレスレットさんによる、コマ割り漫画家たちのユニークな肖像写真の展示です。

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以下は、スウェーデン大使館のHPに掲載されている、展覧会紹介です。
上記のリンクが切れてしまうかもしれないので、転載します。

「スウェーデンコマ割り漫画」展

本展示会では、スウェーデンのコマ割り漫画のユニークな部分をご紹介しますが、アウグスト・ストリンドベリとイングマル・ベリイマンからの伝統が、言葉と絵の中に現れています。 黒と白、闇と苦悶に満ちていますが、漫画ならではの面白さがそこにはあります。

1979年の創立以来、漫画選集GALAGOは、全ての成人向け現代コマ割り漫画家による作品を出版しています。現在、この漫画選集は、以前にも増し、漫画家の所属する出版社を超えミーティングポイントとなっています。この漫画選集はそれ故に、合同展示会に相応しい出発点なのです。

GALAGO の編集者マッツ・ヨンソンと、GALAGOの文化編集部のヨハネス・クレネルが、1950年代、60年代、70年代、80年代生まれの13人のスウェーデン人漫画家による芸術作品を組み合わせ”Through a Panel Darkly”展として紹介します。展示会では、漫画のオリジナルや出展者の殆どが写真芸術家、彫刻家、映画監督、パーフォーマンスアーティストということから、漫画や展示会のテーマに関連したものも出展されます。

本展示会の中心となるのは、ヨアキム・ピリネン、グンナル・ルンドクヴィスト、ラーシュ・シュンネソンですが、この3人はGALAGOの中心的な漫画家ですが、彼らの暗いが癒される漫画芸術は、新しい世代の漫画家の為の道を開いています。漫画家たちは個性豊かですが、悲劇と喜劇の融合という共通の特徴を持っています。

GALAGO展示会開催中には、写真家であり、また長い間GALAGOのファンであるクリステル・イェーレスレットによる、スウェーデンのコマ割り漫画家を撮ったユニークな肖像写真の展示もありますが、今回出展する漫画家の肖像写真もご覧いただけます。ご来館者の方は、スウェーデンのコマ割り漫画について、セミナーや200ページに及ぶ英語版カタログ”From the shadow of the northern lights”「北欧の光の影から」から知識を深められることと思いますが、このカタログには、出展者、並びに同じ伝統をもつその他のスウェーデン漫画家のコマ割り漫画も含まれています。

GALAGOとスウェーデンのコマ割り漫画の世界へようこそ!

スウェーデン大使館文化参事官 アネット・マスイ
キューレーター マッツ・ヨンソン