オフィスH  誠信の交わり

オフィスH(オフィスアッシュ)のブログです。世界から、豊かな物語を紡ぐ個性的なアニメーション映画や独立系作家に役立つ情報を紹介します。

米YouTubeが今年6月からはじめた、独立系映画の配信プラットフォーム「the YouTube Screening Room」、利用していますか?
まだ本数は少ないようですが、オスカー受賞作もあったり、権利者が了解の上で世界に公開するプラットフォームとして、興味深いですね。

日経BP ITProが伝えるところによると、「最長15分程度の短編映画が数本公開されており,2週間ごとに作品を更新する。今後数カ月の間に(中略)世界中の作品を公開する予定である」。

どんな作品が出ているか、のぞいていました。
わたしの大好きな、『Harvie Krumpet』 (Adam Elliot監督、オーストラリア)がありました。
主人公は、身体的なハンディや移民、貧困など、さまざまな困難を抱える社会的弱者のHarvie。彼のヒョウヒョウと生きる様が大好きです。
種明かしになりますが、最後の「Thank you」は、心に染みいります。
The YouTube Screening Room 『Harvie Krumpet』

そして、カナダ国立映画制作庁(NFB)は、オスカー受賞作『The Danish Poet(デンマークの詩人』(Torrill Kove監督)や『Ryan』(Chris Landreth監督)を出品しています。
『デンマークの詩人』は、9月13日から始まる「海外アートアニメーション@トリウッド 2008秋」で初の一般公開するから、最初はムッムッムと驚きました。
けど、独立系作家の短編アニメーションの良さが広く知られるなら、それも悪くないなぁ・・・と。
それに、台詞が原語のママで英語苦手な方や、スクリーンでじっくりとご覧になりたい方は、下北沢トリウッドに来てくれるでしょう。


YouTube関連では、ITProがこんなおもしろい情報を伝えています。
YouTubeの違法コンテンツ,著作権者は削除よりも収入を選択」。
「YouTubeでは,違法コンテンツを見つけた著作権者は,削除するよりも広告収入を得ることを選択しているという。YouTube製品マネージャのDavid King氏が米国時間2008年8月27日に同社公式ブログに投稿した記事によると,検出された無許可コンテンツのうち90%は,著作権者がライセンス料を徴収することを選んだという」。

作家や権利管理者が主導できる、新しい流通スタイルが、利用者(観客)と作り手の間にできつつありますね。
わたしのような、配給をやっている者も、こういうスタイルと共存できるようにやっていきたいですね。
たとえば、日本や世界中に数多ある“作品”から独自の目でオススメを選び、日本語サポートをするとか、スクリーンでも観られるようにするとか・・・

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