オフィスH  誠信の交わり

オフィスH(オフィスアッシュ)のブログです。世界から、豊かな物語を紡ぐ個性的なアニメーション映画や独立系作家に役立つ情報を紹介します。

こんにちは、オフィスHの伊藤です。

立秋なのに暑い、ですね。

前置き抜きです・・・
(1)映像の教育と教育普及の接点をさぐる「第1回映像と児童文化セミナー」、8月28日
(2)アングリーマンの絵本「パパと怒り鬼」発刊
(3)BIOMECANICA(ビオメカニカ)――河口洋一郎の異形博物誌、開催中
(4)『チベット犬物語』とアニメーションの国際共同制作
(5)第8回ラテンビート映画祭2011

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(1)映像の教育と教育普及の接点をさぐる「第1回映像と児童文化セミナー」、8月28日

児童育成協会こどもの城AV事業部が主催する、映像の教育と教育普及の接点をさぐる 「第1回映像と児童文化セミナー」が開催されます。
企画運営する昼間行雄さんによると、この講座は学校の教員、児童施設の指導者、学芸員、教育関係者、研究者、学生を対象にした、映像やアニメーションとは何かを解き明かす勉強会です。
講義形式の「基礎を知るセミナー」と、専門教育と教育普及の連携や相互に情報交換をしていくための展望等を討議する「シンポジウム」の二部構成で、これから連続開催する予定、とのこと。

第1回の基礎を知るセミナーのテーマは「アニメーション」。
アニメーションについての基礎的な知識を深め、実写映像と違うメディアとしての役割や社会との接点などを探ります。
講師は、東京造形大学教授の小出正志さん。コミュニケーション・デザイン、映像学、アニメーションの研究がご専門。映画・映像・アニメーションの理論的研究だけでなく、セミナーや映画祭などの企画・運営もされています。

シンポジウムは「教育と教育普及でのアニメーションの鑑賞の実際」。
小・中・高校で、学習への「映像」の導入が加速化し、美術館の教育普及活動や児童施設で映像のワークショップも増加しています。
ところが、それらの活動は映像やアニメーションの鑑賞とは切り離された形で存在していることがほとんど。
美術教育での鑑賞の取組みのような、アニメーションへの関心を喚起する鑑賞を促進することが必要なのではないでしょうか。
そのために整備する事とは、鑑賞と制作を連携するために必要な取組みとは何かを議論します。
パネリストは小出正志さんと、このわたしです。

美術大学でアニメーション専門コースが増え「作家志望」の大勢の若い人たちが大学で"アニメーション"を学ぶ時代になりました。ところが、アニメーション業界って、そんなにたくさんの"作家"はプロとして稼げない。日本だけでなく、世界的に見ても。
アニメーションに興味関心を持ち、アニメーションを学び、そして制作体験もある人たちが業界で仕事を見つけられるず、業界を去るのが、わたしは惜しくて仕方ない。せっかく4年間(大学院まで行けば+2年)、専門教育を受けたのなら、それを活かしてほしい!と常々感じています。
アニメーションに限定せず「映像」を世のため人のために活かせないものでしょうかね、と思っていたから、シンポジウムの司会役の昼間さんからお誘いいただき、一も二もなくお引き受けしました。
今から楽しみなシンポジウムです。

■開催日:8月28日(日) 13:00~17:10
■会場:こどもの城 11階会議室(東京・青山、JR・東京メトロ渋谷駅、東京メトロ表参道駅から徒歩約8分)
■受講料:2000円(入館料、資料代含。当日会場受付で支払/定員:60名)
■席の予約:メール申し込み。氏名/参加人数/電話番号/返信用メールアドレスをお送りください。開催日直前と当日の予約はできません。メールの宛先:avb@kodomono-shiro.jp

練馬区にできた「石神井公園ふるさと文化館」では、NPO法人アニメーションミュージアムの会などの人たちも、アニメ教室やおやこで楽しむ屋外アニメ上映会などを開催しています。
練馬区は大親分の東映アニメーションを筆頭に、数多くのアニメ制作会社やフリーのアニメーターなどが暮らし、制作しています。
一部の有志が、そこで育まれた日本アニメの技術技能や文化を後生に残し、さまざまなアニメーションの楽しさをこどもへ伝えようとがんばっています。
そのアニメーション文化や関連資産の保護、技術技能伝承のノウハウを練馬区だけに留めるのではなく、日本全国で共有できないか?
もちろん練馬以外でも、全国各地で工夫を凝らした活動がされているはずです。
こどもの城でも、こども向けのアニメーション教室や上映会のノウハウがあり、指導者を数多く育成してきました。
残念ながら、その知の遺産が共有されていない、継承されない・・・
ハブが必要なんじゃないでしょうか、ね?
そして、ヒトも。本の世界には「司書」という専門職があります。映像には専門職の「司映はいかが?
そんな考えを、「第1回映像と児童文化セミナー」で小出さんと昼間さんと共にお話ししたいと思っています。



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(2)アングリーマンの絵本「パパと怒り鬼」発刊

ノルウェーのアニータ・キリ監督の短編アニメーション映画『Angry Man(邦題:パパ、ママをぶたないで!)』の原作絵本の日本語版が出版されました。
「パパと怒り鬼 ―話してごらん、だれかに―」
作/グロー・ダーレ 絵/スヴァイン・ニーフース 共訳/大島かおり、青木順子 ひさかたチャイルド刊

原作は実話を元に、DV(ドメスティック・バイオレンス)を子どもの視点からとらえたストーリーに変わりませんが、アニメーションより枝葉が広がり、主人公ボイの絵も違っています。
絵本とアニメーションを見比べると、キリ監督のアニメーションの解釈も膨らみます。

このつづき>> 



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(3)BIOMECANICA(ビオメカニカ)――河口洋一郎の異形博物誌、開催中

1970年代よりコンピュータ・グラフィックスの分野で注目され、国際学会ACM SIGGRAPHや国際美術展ヴェネチア・ビエンナーレ等で高い評価を得てきた現代アーティストで、東京大学大学院教授の河口洋一郎さんの展覧会です。

河口さんは、近年、巻貝や魚、蟹、クラゲといった生物から発想したイメージを、超高精細CG映像とともに立体造形として表現することを試みているそうで、その中から3メートルを超える大型作品を中心に公開されています。

■会期: 2011年9月25日(日)まで。月・火・水曜日休館。8月11日(木)~14日(日)(夏季休館)
■会場:東京大学総合研究博物館小石川分館(東京・白山、地下鉄丸の内線「茗荷谷」駅より徒歩8分)
■河口洋一郎のアーティスト・トーク(要申込):第2回8月19日(金)17:30~18:30、第3回9月10日(土)15:00~16:00。申し込みは前日17時までにメールで、タイトルに「○月○日(参加希望日)申し込み」、そして氏名、職業、年齢、連絡先(Eメールアドレス等)を沿えて。メールアドレス:biomecanica.event@gmail.com

詳しくは公式サイト>> 



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(4)『チベット犬物語』とアニメーションの国際共同制作

アヌシー国際アニメーション・フェスティバル アヌシー2011のコンペティション長編部門にノミネートされた、マッドハウスと中国電影集団が国際合作した長編アニメーション映画『The Tibetan Dog』(仮邦題:チベット犬物語)が中国で公開され、観客に感動を残しているそうです。
本作は、長編アニメーション映画としては本格的な日中合作の第一号。
参入が難しい中国で、日本が企画したアニメーション映画が堂々と一般公開されたそうです。そのわけは・・・合作だから。
このつづき>> 



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(5)第8回ラテンビート映画祭2011

9月ですが、ラテンビート映画祭 LATIN BEAT FILM FESTIVAL 2011が開催されます。
昨年に引き続き新宿・京都・横浜の3都市で、現地から届いた選りすぐりの最新作と、もう一度スクリーンでもう一度観たい珠玉の旧作も特別上映。

■会期と開催場所
東京:9月15日(木)~19日(月)、新宿バルト9
京都:9月22日(木)~25日(日)、T・ジョイ京都
横浜:10月7日(金)~10日(月・祝日)、横浜ブルク13(TOCみなとみらい6階)

この映画祭は実写ばかりのようですが、ラテンアメリカはアニメーションでも急成長中らしいのです。
だから、ラテンビートに興味あり!

詳しくは、ラテンビート映画祭オフィシャルサイト(近日更新予定)>>

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