オフィスH  誠信の交わり

オフィスH(オフィスアッシュ)のブログです。世界から、豊かな物語を紡ぐ個性的なアニメーション映画や独立系作家に役立つ情報を紹介します。

こんにちは、オフィスHの伊藤です。

米アカデミー賞の候補が出揃いました
長編部門は『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』が落選し、ヨーロッパから2本。
アヌシーでグランプリで、スペインの『Chico & Rita(チコとリタ)』と、フランスのFolimageの『A Cat in Paris(ネコの生活)』。
後者は、わたしが大好きなジャンル・フェリシオリさんとアラン・ギャニョルさんの初長編。『Les tragedies minuscules (ありふれた悲劇)』シリーズ、『Le couloir (廊下)』などの短編で知られる二人です。
ヨーロッパの賞レースでは、『チコとリタ』に連敗していますが、共にオスカーレースの残ったのは立派!
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そして、短編アニメーション部門には、英Studio AKAのGrant Orchard監督作品『A Morning Stroll』。
Studio AKAはCMやPVを得意とするスタジオで、本作は実写とアニメーションのハイブリットで、都会に迷い込んだニワトリの散歩を軽快に描きます。アヌシーでは短編部門のこども審査員賞を受賞し、英国のアカデミー賞の候補にもなっていますね。
カナダ国立映画制作庁(NFB)から2本。再びオスカーに挑戦する、アマンダ・フォービスさんとウェンディ・ティルビーさんの『Wild Life』は良くできている。

「海から始まる!?」の解説>> 

(1)ワーナー・オンデマンド THE EDGE第2弾スタート
~オスカーレースにも一時名前が挙がった、桑畑かほるさんとマックス・ポーターさんの『SLST』など3本が、監督コメンタリーと供に楽しめます~
(2)日仏学院 メディアアート月間 フランス流「クール・ジャパン」の世界、など
(3)八王子市夢美術館特別展 加藤久仁生展、2月10日~
(4)「原爆症認定集団訴訟の記録 にんげんをかえせ」試写会、2月4日
(5)トリウッドスタジオプロジェクト『金星』アンコール上映、1月28日~

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(1)ワーナー・オンデマンド THE EDGE第2弾スタート
~オスカーレースにも一時名前が挙がった、桑畑かほるさんとマックス・ポーターさんの『SLST』など3本が、監督コメンタリーと供に楽しめます~

1月20日から、ワーナー・オンデマンド THE EDGEの第2弾がスタートしました
WAT2011のセレクションより3本提供しています:
『サムシングレフト・サムシングテイクン(SLST)』は、単身ニューヨークへ渡り、アニメーション作家として自立した桑畑かほるさんと、パートナーのマックス・ポーターさんが自主制作したハイブリットなショート。オスカーレースに名前も挙がっていたほど、ファニーなサスペンスコメディです。

トリウッドでご覧になった方も多いと思いますが、THE EDGEでは監督コメンタリーも配信中。
これが、三者三様でおもしろい。
『ノルウェー最後のトロール』のピョートル・サペギンさんは、日本の偉大なアニメーション監督へのオマージュとして制作したと語っています。
『キャプテン・オウサム』は、ゲームやアニメーションで急成長のデンマークの学生作品。
「スーパーヒーローが急に腹下しになったら、どうなる?」と何年も考え続けたという監督。地下鉄の漫才みたいですね・・・って、今の若い人はご存じない、かな。

THE EDGE>>
 



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(2)日仏学院 メディアアート月間 フランス流「クール・ジャパン」の世界、など

東京日仏学院でメディアアート特集「デジタル・ショック」が2月に開催されます。
フランスのアニメーション、ゲーム、マンガの制作会社ANKAMA(アンカマ)がトークショーや上映、そしてスペシャルDJナイトを行います。
アンカマは、日本のマンガ・アニメを親にフランス(北フランスのリール)で生まれたスタジオです。設立10年にして、今やフランスを代表するオンラインゲーム会社の一つに成長しました。そして、アニメーションでも大成功を収めています。

■開催日:2月11日(土) 16時~
■会場:東京日仏学院

他にも、フランスのゲーム会社Ubisoftと共同開発したアプリケーション「アンリミテッド・シアター」の紹介。リアルタイムに地域の構成要素を変えながら、リアルな町の未来像を想像しながら、バーチャルワールドで散歩できるアプリケーション。インタラクティブ・インスタレーションなどもあります。
2月8日(水)~3月4日(日)、東京日仏学院1Fホールで開催。

詳しくは「デジタル・ショック」HP>> 



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(3)八王子市夢美術館特別展 加藤久仁生展、2月10日~

加藤久仁生さんの巡回展が八王子にやってきます。
八王子は、多摩美出身の加藤さんにとって縁の深い地。そこで、『つみきのいえ』が生まれたきっかけであるスケッチや絵コンテ、さらには同名のベストセラー絵本の原画を展示し、その制作の過程をたどりながら、作品の余白にあふれる魅力を体感できるそうです。
そして、『つみきのいえ』の音楽を担当した演奏家・近藤研二氏が参加する栗コーダーカルテットの公演も2月16日にあります。
ちょうどオスカーレースの真っ最中。オスカー受賞監督・加藤久仁生ワールドを堪能しましょう。

■会期: 2月10日(金)~3月25日(日)
■会場: 八王子市夢美術館

詳しくは八王子市夢美術館HP>> 



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(4)「原爆症認定集団訴訟の記録 にんげんをかえせ」試写会、2月4日

アニメーション演出家の有原誠治さんから「ドキュメンタリー映画を作りました」とお知らせをいただきました。

高齢となった被爆者たちが「私の病気は原爆によるもの」と主張して日本政府に対して2003年に全国で裁判を起こしたのが、原爆症認定集団訴訟。
雨の日も風の日も、街頭に立って訴え続ける命をかけた被爆者たちの姿を有原監督が80分のドキュメンタリーに仕上げました。

2012年の東京。フクシマ原発事故は、長い時を経てわたしたちの体に影響を及ぼすかも知れません。その時、わたしたちは"被爆したこと"を自ら証明できるでしょうか?
被爆者の主張は、決して他人事ではないのです・・・

「原爆症認定集団訴訟の記録 にんげんをかえせ」試写会が開催されます。
■ 日時:2 月4 日(土) 17:30~19:30
■ 会場:味覚糖UHA 館5Fシアター(東京・浜松町、大門)
■ 入場無料
*上映開始後、及び満員の際の御入場はお断りする場合がございます。御了承ください。

詳しくは「原爆認定集団訴訟の記録」製作委員会HP>> 



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(5)トリウッドスタジオプロジェクト『金星』アンコール上映、1月28日~

下北沢トリウッドで上映中の『Coming Out Story』(梅沢圭監督)を見てきました。
一人の"女性"として生きようとする、トランスジェンダー(性別を越境して生きる人々)の土肥いつきさんを主人公に、土肥さんが教える高校の放送部の学生、そして監督自身の"男"と"女"の間を揺れ動く心、そして体を追ったドキュメンタリー映画です。
実はわたし、この種のテーマは苦手。カミングアウトって言われても・・・(絶句)。別に良いじゃん、男でも、女でも。体の特徴に拘るのが分からない。
たまたま、トリウッドのスタッフの日本映画学校の先輩が監督した映画ということで、見に行きました。
おもしろかった。
つきつめれば、「どう生きるか」ということ。さて、わたしはどう生きてる?と自問した。
オススメです。

そして同じく学生作品で、トリウッドスタジオプロジェクト第6弾、早川嗣初監督作品『金星』が1月28日からアンコール上映されます。
これもオススメ。

トリウッドスタジオプロジェクトでは、第1弾の『ゴーグル』(2005年)の櫻井剛監督は、今では『マルモのおきて』の脚本家になるなど、着実に学生たちが成長してきているのも楽しみ。
『ゴーグル』は、先日DVDで見ました。おもしろかった。
冒頭、ゴーグルを付けて学校へ行く主人公が、担任にその理由を聞かれ、大地震が来て、大津波が来るからと答える。この映画は日立で撮影されたとか・・・来てしまいました、巨大津波。
(ゴーグルの理由は、父親のDVで顔にできたアザを隠すためだったのです)。

詳しくはトリウッドHP>>

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