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フランスアニメーション映画祭2013で、フランスのFolimage(フォリマージュ)が制作したショートアニメーション7本を特集上映します。
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フォリマージュのショートアニメーションは6月に横浜でも上映したものですが、今回は2000年代にフランスで制作された”新しい傾向”を示す、長編アニメーション映画3本も同時上映されます。

「フォリマージュ短編プログラム」は、昨年のオスカーにノミネートされた長編アニメーション映画『パリ猫ディノの夜』を監督した、ジャンル・フェリシオリアラン・ギャノルのユニットのショート5本を一挙上映です。
  •     エゴイスト(L'Egoiste) 1996年制作
  •     ありふれた悲劇 – ソファー(Les tragedies minuscules - Le Canape) 1998年制作シリーズ
  •     窓から突き出た鼻(Le nez a la fenetre) 2001年制作
  •     廊下(Le couloir) 2005年制作
  •     ついてない(Mauvais temps) 2006年
さらに、フォリマージュの主要アニメーター、イズ・トロアンの『ことばの狩人』と、シルヴァン・ヴァンサンドーの『紙ヒコーキ』を上映します。
イズ・トロアンは『パリ猫ディノの夜』でも、ディジタルコンポジットを担当し、その優れた映像感覚はフランス・アニメーションの次世代を担うクリエイターの一人として注目されています。

7本すべて、おとなが愉しめる、粋なフランス映画に仕上がっています。わたしのオススメです。

■ 上映7作品の紹介(横浜のプログラムと共通)>>

フランスアニメーション映画祭2013
■会期:2013年11月22日(金)、12月7日(土)、8日(日)/「フォリマージュ短編プログラム」は全日上映されます
■会場:アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ(東京・市ヶ谷、飯田橋)
■入場料(当日券のみ):一般1200円、学生800円、会員・中学生以下500円
フランスアニメーション映画祭2013の公式サイト>> 



アヌシー・フェスティバルのレポートなどでお伝えしていますが、フランスは「アニメーション大国」です。
アメリカ、日本に次ぐ三番目のアニメーション制作国であり、劇場にはアニメーション映画を見に年間2000万人以上が足を運んでいます。

特殊なアニメ・マンガ文化がある日本を除くと、世界的には「アニメーション(特にテレビアニメ)=こども向け」、つまりおとながアニメやマンガを愛好するなんて、恥ずかしい。
わたしの友人の娘さんも、「セーラームーン」大好きだったのに、中学生になったら「アニメ?こどもじゃないんだから、見ないわよ」と、”クールジャパン”に連れなくなりました(苦笑)。

ところが、風向きが少し変わってきたのです。
おとな向けのアニメーション映画が劇場に掛かり、”おとなの女性”観客が増えているのです。
それにつれ、おとな向けアニメーション映画を制作する監督、プロデューサーも増えている。
この傾向、フランスからヨーロッパ全体へ広がりつつあります。
詳しくは、新企画のピッチフォーラム「Cartoon Movie 2013」のレポートを参照してください>> 

前置きが長くなりましたが、「フランスアニメーション映画祭2013」で上映される3本の長編アニメーションは、ファミリーはもちろん、おとなが見ても愉しめる映画です。
  • U』 (2005年、監督:セルジュ・エルザルド、グレゴワール・ソロタレフ) 
一角獣Uと、両親を亡くしたお姫様のファンタジー。ユーモアとシリアスさがほどよく混ざり、ちょっと疲れた、おとなの女性に少女の夢を思い出させる御伽噺。(日本語字幕)
  • 長老(ラビ)の猫』 (2011年、監督:ジョアン・スファール、アントワーヌ・ドレスヴォー) 
人間の言葉を話すオヤジ猫が、アルジェの美少女に恋をする。「ゲンスブールと女たち」で知られるBD(バンドデシネ)作家の同名BDのアニメーション化。フランスで大ヒットを記録し、マグレブ(北アフリカ諸国)とユダヤ教といったフランスの社会テーマを織り込んでいる。(日本語字幕)
  • アーネストとセレスティーヌ』 (2012年、監督:バンジャマン・レネール、ステファン・オビエ、ヴァンサン・パタール) 
おとなの女性にも大人気の絵本「アンジュール ある犬の物語」の作家ガブリエル・バンサンの代表シリーズ「セレスティーヌ くまのアーネストおじさん」のアニメーション化。心やさしいクマとお茶目な子ネズミの、美しい絵画アニメーション。監督のバンジャマン・レネールは20代で大作監督に抜擢された注目株。(日本語字幕)


オフィスHではフォリマージュのショートアニメーションの上映貸出をしております>>
上映ご希望があれば、遠慮なくお問い合せください。


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