オフィスH  誠信の交わり

オフィスH(オフィスアッシュ)のブログです。世界から、豊かな物語を紡ぐ個性的なアニメーション映画や独立系作家に役立つ情報を紹介します。

こんにちは、オフィスHの伊藤です。

WAT 2016 世界のアニメーション ― 独立系配給のMotionGalleryキャンペーン中です>> 
3月19日のTAAF2016での先行上映をご覧になった方が、「これは本当に多くの人に観てもらいたいと思いました!」と、コレクターに参加してくれました。
イベントでのMotionGalleryの大高健志さんのトークは、映画の制作と配給の可能性を広げる、示唆に富む内容で大好評でした。アニメ!アニメ!のレポートをご覧ください>> 

WAT 2016、クラウドファンディング好調により>>
● 京都・立誠シネマプロジェクト/名古屋・シアターカフェで上映決定!関西・中京方面、初進出!

● 10作品目決定、オスカーノミネート監督による人気作『真逆のふたり(Head over Heels)』!

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WAT 2016予告

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(1)「アジア-EUカートゥーン・コネクション2016」 ヨーロッパのTV局参加決定
国際共同制作や世界ビジネスを希望する参加者募集中
(2)ニューディアー 土居伸彰さんが配給する、ブラジル・アニメーション『父を探して』 東京で上映中
(3)TAAF 2016(東京アニメアワードフェスティバル2016) コンペ受賞作にデンマークが深く係わる
(4)京都精華大学のKYOTO INSPIRATION
(5)フランコフォニーのお祭り2016
(6)世界が必要とする映画『Cosmopolitanism』

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(1)「アジア-EUカートゥーン・コネクション2016」 ヨーロッパのTV局参加決定
国際共同制作や世界ビジネスを希望する参加者募集中

韓国で5月2日~5日、ヨーロッパ+アジアのアニメーション国際共同制作・配給を希望するプロデューサーやTV局が集まり、Asia-EU Cartoon Connection 2016(アジア-EUカートゥーン・コネクション2016)が開催されます。

注目していただきたいのは、
● EU 35社、アジア45社、韓国70社の参加が予想され、アジアのアニメーションに関心高いヨーロッパのTV局も参加。
Canal Plus(カナルプリュス)、France Televisions(フランステレビジョン)、CartoonNetwork France(カートゥーンネットワーク・フランス)、M6(エムシス)が参加登録しています。まだ参加局は増える予定です。

● アジアの参加者を対象とする「Cartoon Connection Award」は、5億人のEU市場への足掛かりとなります。
毎回EUのTV局によって2社(2プロジェクト)が選ばれ、「Cartoon Forum(カートゥーン・フォーラム)」でのプロジェクトピッチのパスが与えられます。

カートゥーン・フォーラムというのは、毎年9月に開催される、TVアニメーションのプロジェクト・ピッチフォーラムで、ディストリビューター、 TV局、インベスター、制作会社などから900名ものアニメーション業界関係者が集まる、ヨーロッパのアニメーションビジネスの一大イベントで す。これまではEUのプロデューサーしかピッチできず、他地域のプロデューサーはまずEU内で共同製作パートナーを見つけねばならなかったのです が、アジアの「Cartoon Connection Award」受賞者にはプロジェクトピッチの道が開かれました。
2014年と15年のカートゥーン・コネクションで韓国の4プロジェクトが選ばれ、昨年9月のCartoonForumで3社 ―FelixStudioの「Hobgoblin Magician」、PniSystemの「The Mole Farmer, Rabby」、Tak Toon Enterpriseの「Galaxy Kids」―がピッチを成功させています。

■ 参加申込はKOTRA 韓国貿易センター(福岡) 担当:宗像(ムナカタ)さんへ
E-mail:munakata@kotra.or.jp、TEL:092-473-2005
ご質問あれば、オフィスH 伊藤(hito@officeh.net)もお答えします。



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(2)ニューディアー 土居伸彰さんが配給する、ブラジル・アニメーション『父を探して』 東京で上映中

3月19日に東京・イメージフォーラムで封切られ、全国上映が予定される、今年のオスカー長編アニメーション候補『父を探して』。
わたしも劇場に観に行きます!!
配給する、ニューディアーの土居さんから、多くのみなさんに見ていただきたいとメールが届きました↓。

3月19日より、弊社の第一回配給作品『父を探して』の劇場公開がシアター・イメージフォーラムにて始まりましたので、お知らせを送らせていただきます。本作品は、ブラジルの新鋭アレ・アブレウによる長編アニメーションで、シンプルな手描きのキャラクターを用いて、都会へと出稼ぎに行った父親を探す少年の物語を描いています。音楽にも、先日、来日を控えながらも惜しくも急逝したナナ・ヴァスコンセロスをはじめとしたブラジルの著名ミュージシャンたちが参加しています。
※ シアター・イメージフォーラムで使える、ディスカウントの前売券もあります。

ブラジル生まれの本作は、これまで、世界中のアニメーション映画祭で40以上の受賞を重ねています。世界最高峰のアニメーション映画祭アヌシーでは、クリスタル(グランプリ)と観客賞をW受賞。
惜しくも受賞はなりませんでしたが、ピクサーの『インサイド・ヘッド』やジブリの『思い出のマーニー』などと並んでアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされました。

長年インディペンデント作品の世界に関わってきましたが、先のアカデミー賞ノミネートを始めとして、いま、たくさんの人にインディペンデントのユニークな作品力が必要とされはじめている気がしています。
インディペンデントの力を世に広めることが使命として始めたニューディアーにとって、『父を探して』は、ニューディアーとしての「勝負」の作品です。アニメーションの未来を切り開く作品だとさえ思っています。是非とも劇場にてご覧いただければ幸いです。

4月以降、大阪をはじめとして、東京以外の様々な都市でも上映がございますので、上映館についてはこちらをご覧ください。決定次第、順次追加されて参ります>> 




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(3)TAAF 2016(東京アニメアワードフェスティバル2016) コンペ受賞作にデンマークが深く係わる

3月21日に閉幕したTAAF 2016(東京アニメアワードフェスティバル2016)。いろいろありました(笑)。
ヨーロッパで国際共同制作された作品が長編と短編ともにグランプリを受賞しました>>
  • 長編部門グランプル、東京都知事賞には、『Long Way North(原題 Tout en haut du monde』(Remy Chaye監督、製作:フランスのSacrebleu Productions、Maybe Movies、デンマークのNoerlum)
  • 短編部門グランプル、東京都知事賞には、『Off Belay(原題 Penjaci』(Mataic Sinisa監督、製作:クロアチアのLuma Film、デンマークのThe Animation Workshop-Open Workshop)
ともにデンマークが参加した国際共同製作です。
『Off Belay』は85%が、The Animation Workshop(アニメーション・ワークショップ、TAW)のアーティストインレジデンス「Open Workshop」で制作されたそうです。
TAW代表のモートン・トーニンさんがTAAFでもプレゼンしましたが、Open Workshopはインディペンデント監督が滞在しながら、制作のさまざまな過程でTAWの施設などを利用できるプログラムで、年間35組ほどのアーティストが世界中から集まって、制作に集中しているそうです。

滞在期間はさまざまですが、長い人で1年くらいだそうです。本格的な制作ができる環境が整っていて、わたしの知っている作品や監督もTAWと関わりがある人が増えています。

『Long Way North』に参加したNoerlumは、TAWが共同運営するインキュベーションセンターArsenaletで実力を蓄えた、スタートアップ・スタジオ。
アイルランドのCartoon Saloonの『Song of the Sea』の制作にも参加するなど、ヨーロッパ各国の制作に参加するようになっています。

WAT 2016で上映する、デンマークのドキュメンタリータッチのショートアニメーション『アフガニスタン - 戦場の友情のカヴ・ブゥーロン監督もTAWでアニメーションを学んでいます。
TAWの多様な活動とデンマークのアニメーションの一端を紹介しているので、こちらをご覧ください>>



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(4)京都精華大学のKYOTO INSPIRATION

大学のマンガ学科と京都国際マンガミュージアムを運営することで世界的に知られている、京都精華大学が外国のアーティスト向けに、マンガ、アニメと京都の伝統文化・工芸のつながりを知ってもらうためのプログラム「KYOTO INSPIRATION」を今夏開始します。
とても興味深い試みです。
ヨーロッパ・アニメーションの知り合いにお知らせしたところ、良い反響です。
京都から世界へ、応援しています!

詳しくは公式サイト>> 



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(5)フランコフォニーのお祭り2016

フランコフォニーのお祭り2016が始まりました。
フランコフォニー=フランス語を話す人(世界各地に約9億人)の文化:味覚、音楽、美食、文学、芸術、映画、言語を体験し、楽しめるイベントです。
映画祭は3月26日~4月3日

詳しくは公式サイト>> 



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(6)世界が必要とする映画『Cosmopolitanism』

EUの首都、ブリュセルで悲劇が繰り返されました。
犠牲になった方々、その家族にも悲劇ですが、自爆した若者にも悲劇です。憎しみの連鎖が世界を包むことが恐ろしい。

上記のTAWのアーティストインレジデンスOpen Workshopとスウェーデンの制作会社Fadasが共同製作した『Cosmopolitanism』(監督:Erik Gandini)を見て、TAWのモートン・トーニンさんと「今の世界に必要な映画」と話したばかりでした。
映画は哲学者Anthony Qwame Appiahさん、文化・国際コミュニケーション研究者Nikos PapastergiadisさんとMiyase Christensenさん、国連前事務総長コフィー・アナンのビデオメッセージ、そしてニュース映像にウリ&ミシェル・クラノットさんがダイレクトペインティングしたショートアニメーションで構成されるハイブリッドです。
映画の紹介>> 

わたしは国連前事務総長コフィー・アナンさんが人種、宗教などを理由とする様々な差別を乗り越え、人類の共存を語るクリップを見ました。みなさんにも是非見ていただいたです。

イスラエル出身のウリさんとミシェルさんがイスラエルの人権団体・ベツェレム(B'Tselem)のビデオプロジェクトと協働した、『ホワイトテープ』と『ブラックテープ』はWAT 2016で上映します>>

ところで、自爆テロを日本の外は「Kamikaze」と表現することがあります。
カミカゼは、神風特攻隊で知られるように、日本の帝国主義・軍国主義が生み出した、捨て身の攻撃手段。わたしたち日本人の過去・歴史が世界ではどのように見られているのか、この言葉からも考えねばならないと思います。

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