オフィスH  誠信の交わり

オフィスH(オフィスアッシュ)のブログです。世界から、豊かな物語を紡ぐ個性的なアニメーション映画や独立系作家に役立つ情報を紹介します。

あけましておめでとうございます
みなさまのご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます
今年もよろしくお願いいたします
2017年丁酉 初春

2005年に始めたこのブログも記事が1016件となりました。
新年を迎えるにあたり、ブログのタイトルを「オフィスH 誠信の交わり、奮闘記」に変更しました。

誠信の交わりは、江戸時代中期に対馬藩の藩儒(藩に仕えた儒学者)として、朝鮮国王の国使、朝鮮通信使の接遇役(朝鮮方佐役)として活躍した国際人、雨森芳洲先生(1668年~1755年)が遺した訓です。
年若い第6代対馬藩主、、宗義誠へ提出した日朝交流に関わる意見書「交隣堤醒」にある、「誠信と申し候は実意と申す事にて、互いに不欺不争、真実を以て交り候を誠信とは申し候」という一節です。
こと外交だけでなく、人と人との交わりは、欺かず、争わず、実意・真実を持って接することと、わたしは解しています。・・・と、分かっているつもりでも、日々の営みで実践するのは容易ではない。常に心に留めておかねば、道を外れてしまう。

今年2017年、日本・デンマーク外交関係樹立150周年にちなむ、アニメーション+マンガ+360コンテンツの日本特集を、TAW(アニメーション・ワークショップ)の同志たちとユラン半島のヴィボー(Viborg)で開催します。
数年来TAWと交流を重ね、準備してきました。

作業チームはデンマークと日本出身者だけでない多国籍メンバー混成。「こんなこと、どうして分からないの?」と思うこともあり、異文化交流の毎日。
日本流、自分流はデファクトスタンダードではない!
丁寧に説明し、話し合い、合意点を見つける。努力をする。
まさに、実意を持って接すること。
肝に銘じるため、毎日開くブログのタイトルを「誠信の交わり」とした次第。

日本とデンマークの150年の歴史-外交、商務、文化、民間の交流史(公式サイト)>>
近年は小説、マンガやアニメの話題が多いようですね。

そうそう「日本特集」の発表はもう少しお待ちください。

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Viborg、2016年6月。
ダンネブロ(デンマークの旗)、
カイ・ボイスンのモンキー、卒業帽(高校卒業お祝いの帽子)、そしてHiromi。

2016年を振り返ると・・・>>
昨年は日本のアニメーション映画の当たり年でしたね。
宮崎駿さんが引退されも、新しい才能の人たちがそれぞれのアニメーション表現で脚光を浴びた。本当に嬉しいです。
  • 「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」の坂本一也監督(ライデンフィルム)。坂本さんとはトークをさせていただきました。坂本さんがライデンフィルム京都スタジオの室長となるきっかけとなった、株式会社ウルトラスーパーピクチャーズの松浦裕暁社長の「従来の東京型ではない、新しい制作スタイルを関西で作りたい」という思いにも惹かれ、後日松浦さんも取材させていただきました。そのインタビューは、中国向け情報サイト、客観日本と映像新聞に間もなく掲載されます。
  • ルドフルとイッパイアッテナ」の榊原幹典監督(Sprite Animation Studios)。世界のファミリー市場に向けた、日本のフル3DCG長編。アメリカで長年ビジネスをしてきた榊原さんたちだからこそ、勘所を押さえたアニメーションに仕上がっていました。榊原さんも初監督。今後がとても楽しみです。日本が不得手な、世界のアニメーションのファミリー市場で3DCGも躍進して。
  • この世界の片隅に」。実績ある片淵須直監督が惚れ込んだ、こうの史代さんの同名マンガの長編アニメーション。派手さはない。泣きの押し売りもない。戦争、原爆と、重たいと思われがちなテーマ・・・。このおばさんに見たいと思わせる、光がある。声高に反戦平和を唱える訳じゃないのに、すーと思いが伝わってくる。大切なものは、一度失ったら戻ってこない。そして、庶民はたくましい!あの”玉音放送”ですら、終わった途端に「さてっと」と立ち上がり、日常に戻っていく女たち。映画の評判が広がり、どんどん上映館が増えているそうです。Cinema Cafe Net. 異例の大ヒットを続ける『この世界の片隅に』 片渕須直監督が明かす“この映画が目指したもの”>>
  • 聲の形(こえのかたち)」の山田尚子監督(京都アニメーション)。本作も大今良時さんのマンガの翻案。京都アニメーションはかねてから興味を持ってきたスタジオ。本作は、小6の時の”いじめっ子”体験に向き合う高校生の主人公と聴覚障害を持つ”いじめられた子”、その二人の級友たち、二人の家族それぞれの言い分や生き方をまっすぐに、丁寧に描いています。高校生ものながら、おばさんも共感。
そして、今さら書くこともないほど大ヒットとなった、新海誠監督の「君の名は。」

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酉年。埼玉県のマスコット、コバトンも注目されるかしら・・・。
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シラコバトがモデルのれっきとした鳥!!年男です。
埼玉県人ならずとも、着ぐるみコバトン(鈍くさい)に、かわいい!と言ってしまうのです。

かわいい=Kawaii・・・今年のわたしの本業のキーワードになります。

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マイ韓流も続いています。ドラマを見まくるとか、イエメン君を追いかける、とは違う形ながら。
日本と朝鮮半島(韓半島)との歴史を知る、書森を逍遥しています。
今は日本(倭、ヤマト)の古代史。
出会った一冊、森浩一さんの「日本の深層文化」(ちくま新書)。

遥か昔、縄文の社会に中国長江下流域や朝鮮半島の人々が最先端の文化文明を持ってきて、水田で稲作をする弥生時代になっていく・・・!
日本の創世神話にある、豊葦原中国(とよあしはらのなかつくに)というのは稲作が盛んなコメ文化の所と教科書で教えられ、わたしもそうイメージしてきました。
ところが森浩一さんは、「『紀(日本書紀)』の神話第九段第六の一書に、葦原中国に粟田(あわた)と豆田があったこと、しかもそのことが豊かさを示す状況として描かれている。ぼくは子供のころ、葦原中国(豊葦原中国ともいう)といえば、稲作が盛んな土地を連想したし今日でもそのように思い込んでいる人は少なくない。けれども、この一書の記載では粟田と豆田のひろがる風景が葦原中国だったのである。」と説く。

目から鱗が落ちるとは、まさにこのこと。
それどころか、日本が水稲を偏重し、今のように白米を”主食”とするようになったのは明治維新後、まだ百数十年程度のことだったのです。
常識として思い込んでいることと事実とはいかに違うことか!
こんな面白い発見があり、マイ韓流はまだまだ続きそう。

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イケメンへのアンテナも張っていなければ。

ドラマでは、「運命に、似た恋」(NHK)の齋藤工さん。
四十路の原田知世さんとの絡みに引き込まれた。
それにしても、原田知世さんは変わらずピュアな雰囲気を作るのが上手い女優ですね。
若い斎藤工さんと組ませたプロデューサー、あなたは偉い!

8回のミニシリーズ。終わってしばらく、ロスでした(笑)。

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元旦お昼のニュースの第一報が、イスタンブールの銃乱射。言葉にならないほど、辛く、悲しいです。
ヨーロッパとアジアの架け橋、トルコが揺れています。
ベルリンのクリスマスマーケットでトラックが暴走してから2週間と経っていないのに。

思えば、わたしは常にヨーロッパを意識し、ヨーロッパに関係すること(プライベートも、仕事も)を関わってきました。今もそうです。
ヨーロッパを二度と戦場にしてはいけないという人々の強い思いが生んだ、EU(欧州連合)。
わたしはそのEUの恩恵も受けながら、”ヨーロッパ人”と仕事をしています。
文化、言語、社会の背景が異なり、”ヨーロッパ人”と簡単に一括りにできないけれど、それでも自由に行き交い、夢を達成しようとする人たちと接してきました。
異なる文化を受け入れる度量を羨ましく思い、もちろんそうでない偏狭さも感じてきた。
複雑なヨーロッパ。
今の動揺は、やはり歴史の応報。

アニメーション映画には力があると信じたい。
共に楽しみ、そして共に作る。わだかまりを解かす力があるはず。
アニメーション、そしてヨーロッパと、わたしは今年も関わり続けます。
つれづれ、マイペース(速いですよ)でやっていきます。
面倒な人も思われても構わない。そんなこと気にならなくなってきた(笑)。

ここまで、こんな駄文を読んでいただき、ありがとうございました。
どうぞ、良いお年を!

追伸) 近所の看板が撤去され、仕事部屋から富士山が見える!のです。
富士山を見ると得した気分になるのは、日本人だから?

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